Andere Länder andere Wörter!?

これは日本語??

これは日本語??

毎度のことですが、ご無沙汰しております。
昨日、おもしろい場面に遭遇してしまったので、それをネタにしてみたいと思います。昨日は、オーストリアの音楽家たちと共演する機会に恵まれました。(筆者は趣味でとある楽器を弾いております)ステージリハーサルも終わり、舞台袖でみんなで本番までの半時間ほどをダラダラと過ごしていたときのこと、突然「Oh!」という声がしました。何事かと思い振り返ると、オーストリアの大男が床を這いずり回っています。「どうしたの?」と聞くと、なんと白蝶ネクタイの留め金が外れて落ちて行方不明になってしまったとのこと。本番も迫っています。みんな総出で床を這いずり回って探すはめになりました。(--)数分後「あった~!」と彼の声。みんなから、よかったね~と拍手が沸き起こると共に、彼が日本語をしゃべったということで「わはは、日本語で「あった!」なんて言葉、よく知ってますね~」という感心の声が次々と起こりました。
実は違うのです。彼はちゃんとドイツ語、いやオーストリア語であった~!と言ったのですよ。私も初め日本語だと思ったのですが、次の瞬間、思い当たりました。彼が言ったのはAch, da~!(アッ、タ~!(あ、ここだ!))それをみんなに説明したとたん、爆笑の嵐になったのは言うまでもありません。
オーストリアではdとt、bとpなどの発音上の区別が付きませんし、sの音もにごりませんから、標準ドイツ語では「アッ、ダ~!」となるところも「アッ、タ~!」→「あった~!」に聞こえたわけです。意味も発音もほとんど日本語と同じだなんて、おもしろいですよね。
他にみなさんよくご存知、相づちの「Ach, so!」(アハ、ソウ!)。これはほとんど日本語の「あっそう」に聞こえますし、意味もほとんど同じです。
オーストリア語は日本語に近いのかも・・・(そんなわけ、ないですね (^^ゞ)

何をする日ぞ? - Fenstertag

何をする日ぞ? - Fenstertag

ある日の授業のこと、Fenstertagという言葉が出てきました。直訳すると、というか、文字通り訳すと「窓の日」。オーストリア関係のホームページなどを読んでいると、頻繁に出てきます。日本人にはなじみのないこの言葉、てっきりクラスのメンバーは「窓拭きでもする日」、九九の日みたいに「窓のための日」なのかと思い込んでました。(^_^;)
…そんなはず、ありませんね。先生も私たちの発言に頭を抱えました。「どうやって、説明したらいいのかしら~?休みと休みの間の日を窓の日っていうのよ!」…なんと。日本では、休みが飛び石だといってしまうようなところ、その飛び石の間の日をオーストリアでは窓の日というのですね。
ところで、なぜ「窓の日」というのでしょう?勤労意欲に比較的乏しいと思われる(^_^;)、オーストリア人。オーストリアの会社生活?では、お休みというのは本当に重要事項なのだそうですね。こんな話がありました。オフィスにこもって働く人たちの唯一の楽しみは、週末と祝日。彼ら、しがないサラリーマンは、年度始めにカレンダーを手にするとすぐ、週末と祝日に×印をつけるのだそうな。(ま、一部の人でしょうけれど、何となく気持ちは分かります) ×と×の間にぽっかり開いた空間。それが、あたかも外に向かって開かれた窓のように見えることから「窓の日」とついたのだとか、いないのだとか。×印のついたカレンダーのマスが両開き窓の扉のようだというわけです。次にすることは…もちろん!「休むぞ~!」と心に決めること。こうして「窓の日」にはお休みする人が増える、という訳です。
本当のところは分かりませんが、オーストリアの国民性が垣間見える、おもしろい話ではありますよね。他にも、Brueckentagとか、Zwickeltagという言い方もあるそうです。
折りしも今日1月6日木曜日は、オーストリアで「三聖王の日(公現節)」という祝日。そう、明日は「窓の日」なのです。きっと向こうのオフィスでは休む人が多く、閑散としていることでしょう…。
以上、忘れた頃にやってくる、お国変われば…でした!

口にすると危ない?

口にすると危ない?

ドイツ人が失敗したときなどによくいう「Mist!」日本語でいうと、さしずめ「しまった!」とか「ちぇっ!」といったところでしょうか。標準ドイツ語では、このMist、堆肥や家畜の落し物(笑)のことを指し、どちらかというとあまり上品ではないイメージがします。
ところが、なんとオーストリアでは、このMist、まったく普通にごく日常的に使われているのです!堆肥や家畜の落し物(しつこい…)のことではなく、ごみやくずのことを「Mist」というのです。たとえば、標準ドイツ語ではゴミ箱のことをMuelleimerやAbfalleimerといいますが、オーストリアではMistkuebelといいます。また、ゴミ捨て場のことも、標準ドイツ語ではMuellkippeなどというところ、Mistplatzといいます。
また、学校でドイツ語を習っていたとき、決してに人前で言ってはいけないと習った「Scheisse!」ですが、ドイツで暮らしてみると、ごく日常的に年齢を問わず、口にされているのに驚きました。もちろん、元の意味はMistと同じようなもので(もう少し品が落ちるといった感じでしょうか…)オーストリアでも同じものを指します。ただ、この話をしてくれた私の友人の両親の世代(戦前・戦中世代くらい)では、口に出すのもはばかられるくらいの単語だったそうで、彼の両親は必ずこの単語の代わりにKotという単語を使っていたそうです。
ところで、ちょっと皮肉っぽく、自分たちのことを徹底的に笑いものにするというのはオーストリア人の気質だと思うのですが、ザルツブルクの近郊、ある道を車で走っているときに見かけたGasthof(レストラン)、なんとKothaeuslという名前!一瞬、目を疑いました。Haeuslについては、前回書きましたね。そして、Kotは…つまり、ごほごほ。そういった意味です(笑)ちなみに、結構美味しい料理を出すそうで、「入ってみる?」と誘われましたが、丁寧にお断りしました。かなりはやっているようでしたが!
今回は少し品格の下がる話になりましたが、この辺りでお開きということで…。

縮小辞によっては・・・

縮小辞によっては・・・

ある日の授業のこと、問題の中に「Haeuslbauer」(いうなれば、家を自分で建ててしまう趣味人)という
単語が出てきました。先生いわく「これはオーストリアじゃないとお目にかからない言葉ですね!」
確かに、Haeuslとは、Haus(家)にオーストリア特有の縮小辞-(r)lをつけたもので、小さな家や小屋を
指す言葉ですので当然です。このとき、ふと私は友人が、ウィーン郊外に一生懸命、自力でこつこつと
家を建てているのを思い出しました。「よし、さっそくこの言葉を今度使ってやろう!」
数日後、その友人に会う機会があり、得意げに「Haeuslbauerさん、あなたのHaeuslはその後どう?」と
聞いたところ、一瞬ぽかんとした友人、次の瞬間に爆笑しました。「よくそんな単語知ってるなー!たーだーしー、Haeuslの方は使い方に気をつけないと、大変なことになるから注意するように!Haeuschenを使っているほうが無難だよ」
「どうして?」と聞いたところ…
なんと、Haeuslとは単独で使うと「トイレ」の意味になってしまうのだそうです!田舎の方に行くと、よく母屋とは別に暗がりにぽつんと立っている、いわゆるあれですね。(^^ゞオーストリア語辞典を調べてみると、第一義は「小さな家、小屋」となっていたため、HaeuslをHaeuschenの代わりに使っても問題がないんじゃないの?と反論してみたところ、オーストリア人は10人中9人、「トイレ」だと理解するだろうとのこと。通常、縮小辞-chenは標準ドイツ語の縮小辞としてよくお目にかかるもので、オーストリアではほとんど使われないとのことですが、「小さな家」についてはHaeuschenを使っておいたほうが無難なようです。
このあと、オーストリア人とドイツ人が、同じ単語でも違う意味に取る可能性がある言葉についての話に花が咲きました。友人の性格のせいか、はたまたHaeuslから発展したからか、話はあらぬ方向に展開していったのですが、それはまた後日ということで…。

?に刺される

?に刺される

久しぶりの登場となり、きっと世の中から忘れ去られていると思いますが・・・。
私、筆者はこの4月からドイツ、そしてこの7月半ばからはオーストリアで生活しております。ネタの収集機会には恵まれているものの、なぜかネットに接続することが困難で、せっかく集めたネタも遠い記憶のかなたへ・・・。オンラインで書いているため、あまり深い内容にはなりませんが、後日そういったものは追記していきたいと思います。
さて、オーストリアで友人たちに再会しました。3ヶ月もドイツで生活していたため、すっかり単語群もドイツのものになってしまった私。何か発言するたびに「それはドイツでしか言わない!」「オーストリアにはもっと美しい表現がある!」と教育的指導を受ける毎日です・・・。
さて、湖のほとりにあるレストランで食事していたある日のこと。足になんだか違和感を感じました。なんと、あっという間に10ヶ所近くも蚊に刺されてしまったのです。かゆいと騒いでいると、連れが一言。「Gelse?」「違う、違う。Stechmueckeだってばー!刺されたのよー!!」というと、「だからGelseでしょ?」「へ?同じものなの??」標準ドイツ語で蚊のことはStechmueckeというのですが、同じ蚊のことをオーストリアではなんとGelseというのですね。
「ちなみに、Gelseよりももっと大きくて、牧場なんかにたくさんいる、やっぱり刺すやつのことをなんていうか知ってる?」ふふん、これは知っていました。アブのことは、ドイツ語でBremseといいます。これはオーストリアもドイツでも共通なのですが、ややこしいことに、車などのブレーキのこともなぜかまったく同じつづりでBremseというのです!現在お世話になっている、ドイツ語夏期講習のプロフェッサーになぜかと聞いたのですが、いわく「わからん!」
世の中、unlogisch(非論理的)なことが多いようで…。

ユニークな表現-- ?のように黙りこくる

ユニークな表現-- ?のように黙りこくる

ドイツ語を話すのにまだまだ苦労していた頃(いや、今もですが)、友人と電話で喧嘩したことがありました。彼らは自分で納得できないと「何で?どうして?どう思うの?」と徹底的に追求してくるために、日本人同士だったら曖昧にして察してもらえるようなところも、きっちり最後まで説明しなければなりません。ドイツ語がつたなく、思うように言いたいことが言えない上、曖昧さが許されない状況にほとほと疲れきってしまった私は、ある日とうとうだんまり作戦に出ました。すると、数分、いや本当は数十秒しか経過していなかったかもしれませんが・・・彼が「Warum bist du so stumm wie ein Fisch?」(なんでそんな魚みたいに黙りこくってるの?)と聞いてきたのです。
さ、魚みたいに黙る!?
へぇ~!(18へぇって感じでしょうか(笑))
ドイツ語では「黙りこくる」を「stumm wie ein Fisch sein(魚のように黙りこくる)」と表現するのですね。確かに魚には舌もないし(正確には舌の役目をする軟骨はあるのですが、人の舌のように機能するわけではないです)、しゃべったりするのは聞いたことがない(笑)!思わず喧嘩しているのも忘れて「黙りこむってドイツ語では「魚のように」って表現するんだねー!日本語では「貝のように押し黙る」っていうんだよ!」と興奮したように話すと、彼も「がはは、それは確かに想像がつくなあ!」怒りや悔しさよりも、興味が先にたってしまった訳です。(^^ゞ それまでの緊迫した状況はどこへやら、結局喧嘩もどこかへ飛んでいってしまったのでした・・・。今となっては、何で喧嘩をしていたのかすら思い出せません。(^^;)
魚は人間にとって太古の昔から身近な食材ですので、慣用句としてはよく使われています。例えば、「冷たい人」のことを「ein kalter Fisch(=冷たい魚)」といいますし、「健康的で元気な」ことを「gesund wie ein Fisch im Wasser(=水の中での魚のように元気な)」といいます。日本語の「水を得た魚」とはちょっと違うイメージですよね。
「黙る」とひとえにいっても、口が固いといった意味での「沈黙する」には別の比喩表現があります。それはまた次回に!

ちなみに…

ちなみに…

「ぐっすり眠る」の比喩表現ですが、各国のものを集めてみました。
日本語 泥のように眠る
英語 sleep like a log(木のように眠る)
ドイツ語 wie ein Stein schlafen(石のように眠る)
     wie ein Murmeltier schlafen(マーモットのように眠る)
フランス語 dormir comme une marmotte(マーモットのように眠る)
スペイン語 dormir como una marmota (マーモットのように眠る)
イタリア語 dormire come una marmotta (マーモットのように眠る)
なんと、英語以外は「マーモット」で表現するのです!ヨーロッパ大陸ではマーモット優勢なんですね。
英語では sleep like a marmot とは言わないみたいです。
ところで、マーモットといえば、ゲーテ作詞・ベートーヴェン作曲の愛らしい歌曲があります。その題名はずばり「Marmott」。Ich komme schon durch manches Land, Avecque la marmotte...
(僕はすでにいくつもの国を旅してきた。マーモットと一緒に…)※後半部分はフランス語。avecque は現在の avec で「~と一緒に」の意味。
こんな歌詞で始まるこの歌曲は、マーモットそのものを歌ったわけではなく、マーモット使いの旅芸人のことを歌った曲です。アルプス・マーモットは芸をしこむとよく覚えるのだそうで、マーモットを使った芸は昔、お祭りなどで大変人気があったのだそうです。だとすると、昔のヨーロッパの人々は、マーモットをよく目にしていたことになりますから、表現に登場してもおかしくはないのですね。
以上「お国が変われば、言葉も変わる」番外編でした!

ユニークな表現-- ?のように眠る

ユニークな表現-- ?のように眠る

さて、ベルリンに到着し、友人の家でやっかいになることになりました。生まれてからこのかた、ただの一度も時差ぼけに悩まされたことのない特異体質のため、到着初日からぐっすり眠れたのですが、それを知らない友人は、朝食の席で開口一番「昨日はよく眠れた?」と聞いてきました。「ぐっすり眠れたよ!あなたは?」と聞くと、友人は「昨日は仕事が続いて疲れてたからね~、Ich habe wie ein Stein geschlafen!」と答えたのです。
なに?石みたいに眠る!?
ほおお、面白い!ドイツ人は死んだようにぐっすり眠ることを「石のように眠る」って言うんですね。私はてっきり英語の「sleep like a log」(丸太のように眠る)と同じで、Holz でも使うのかと思っていました。日本語では「泥のように眠る」っていいますよね。
これですっかり比喩表現に魅了された私は、さっそくウィーンでドイツ語のお師匠様に会うなり、比喩表現を教えてくれとせがみました。たとえば…と例の「wie ein Stein schlafen」を出したところ、なんとお師匠様曰く「オーストリアではそんな表現はほとんど使わん!」
そして、うーんと考えて一言。「wie ein Murmeltier schlafen!!」(マーモットのように眠る)
はあああ?マーモットみたいに眠る!?(マーモットはココで見られます)
マーモットのように眠るのが、ぐっすり眠るってことになるのぉぉぉ?!!思わず、巣穴にむぎゅーっと集まって寝ているマーモットの家族を想像してしまった私でした。
(ヨーロッパの山中では、比喩表現に登場するくらい、マーモットをよく見かけるのでしょうか?)
後日、この「マーモットのように眠る」をドイツの友人に話したところ、そういう表現があることは知っているけれど、あまり使わないと言っていました。
まさに「お国変われば、言葉も変わる!?」ですよね。(^_^)
比喩表現には面白いものがまだまだいろいろとありますので、またご紹介したいと思います。

びっくり!-- 時間のいい方

びっくり!-- 時間のいい方

みなさま、お久しぶりです。欧州から帰ってきました!
今回の旅行では、ベルリンとウィーンの友人たちを訪ねてきましたが、まさに「お国変われば、言葉も変わる!?」で、双方からおもしろい話が聞けました。
さっそく今回は、旅行で遭遇したネタの第一弾として、標準ドイツ語と南部ドイツ・オーストリアでの「時間のいい方の違い」についてお話ししようと思います。
通常、標準ドイツ語では、15分単位での時間のいい方を下記のように習うでしょう。
6.15 = viertel nach Sechs(フィアテル ナーハ ゼクス 6時15分過ぎ)
6.30 = halb Sieben(ハルプ ズィーベン 6時半)
6.45 = viertel vor Sieben(フィアテル フォーア ズィーベン 7時15分前)
7.00 = Sieben(ズィーベン 7時)
ところが…。
ある日、私は友人と次の日に会う時間を決める話をしていました。
友人G「じゃ、viertel Siebenに事務所の前で!」
わたし「(7時15分か…仕事が終わってからずいぶん経つけど…ま、いっか)OK!」
そのまま、話し込んでいたところ、ふと友人が、「N(私)、時間、分かってる?viertel Siebenだよ、sechs Uhr fuenfzehn!(6時15分)」
…へっ?? 瞬間、私が固まったことはいうまでもありません。nachが省略されていたんじゃないの!?
彼の説明によると、
「Es wird immer von der naechsten vollen Stunde ausgegangen, dazwischen gibt es viertel, halb und dreiviertel.」(いつも必ず次の正時から出発し、その間に、15分、30分、そして45分がある)
ようするに「1時、2時、3時といった正時を1分でも過ぎると次の正時と考える」というのです。ええーー!?彼はにっこり笑って「オーストリア人はlogischだから!」ですって。
つまり、南ドイツやオーストリアでは時間のいい方が、
6.15 = viertel Sieben
6.30 = halb Sieben
6.45 = Dreiviertel Sieben
7.00 = Sieben
となるというのです。実は今回までまったくこの表現に気づいていなかった私。次の日も、別の人から同じ表現を聞いたけれど、今まで約束を間違えたこともない。耳が勝手に処理をしていたのでしょうか…うーん、謎です…。

意外な盲点!? ch はどう発音するか

意外な盲点!? ch はどう発音するか

夏休み企画が滞っているので、苦肉の策として自主勉強会で取り上げたネタをアップします…。
実は ch をどう発音するかはとても難しいのです。ネイティブでも間違っているのではと思うこともあります。というわけで、今日は ch の発音規則についてお話しましょう。
皆さん、Ich-Laut と Ach-Laut という言葉はご存知でしょうか?なーんて、見慣れない言葉ですよね。Laut(ラオト)とは、言語学で「音(おん)、音声」を意味します。そう、ch の発音の仕方には「Ich(イヒ)-Laut」と「Ach(アハ)-Laut」の二種類あるのです!
Ich-Laut では「ich(イヒ)」と発音されるときのように「ch の前にくる母音が e, i, ae, oe, ue, aeu のとき、ヒ(hi)、ヒェ、ヒャと発音される」(発音記号は c の下にひげ)(例)ich イヒ、Pech ペヒ、Baeche ベヒェ、Loecher レヒャー、Buecher ビューヒャー、Baeuche ボイヒェ など。
Ach-Lautでは「ach(アハ)」と発音されるときのように「ch の前の母音が a, o, u, au のとき、それぞれ a, o, u, au (発音上では ao)の音を含むハ(ha)、ホ(ho)、フ(fu)、ホ(ho)になる」(発音記号は x)(例) Bach バハ、Loch ロホ、Buch ブーフ、Bauch バオホ など。
ここで、「ネイティブでも間違う!?」の根拠ですが…(^^;
授業で教材を音読していたときのこと、Raucher (喫煙者)という単語が出てきました。これを私が上の規則に従い「ラオハー」と読んだところ、なんと先生に「ラオヒャー」と訂正されてしまったのです!私の発音が悪かったのか!?もちろん Raucher は「ラオハー」です。当然「タバコを吸う」の rauchen は「ラオヒェン」ではなく「ラオへン」と発音します。さらに「訪問者」の Besucher はもちろん「ベズーハー」ですし「訪ねる」の besuchen は「ベズーヘン」です。恥ずかしながら私も、師匠に指摘されるまで「ラオヒャー」と発音していました。
Ach-Laut と Ich-Laut を知っていれば、自然と正しい発音を意識することになり、辞典の発音記号で区別もできます。それはすなわち正確な聞き取りにも繋がりますので、発音を曖昧にしないよう、普段から意識することが大切なんですよね。
ところで、私を訂正されたのはオーストリアの方でしたが、はたして方言なのでしょうか?この秋の渡墺時に、ぜひ聞き取り調査をしてきたいと思います。乞う、ご期待!

役に立つ?-- Trinken ~Heurige編~

役に立つ?-- Trinken ~Heurige編~

★ Trinken(トリンケン)~Heurige編~
いよいよ夏休みに突入!というオーストリアですが、日本からオーストリアへ旅行に出かけられる人も、そろそろ多くなってくる頃ではないでしょうか?
ウィーンといえば Heurige(ホイリゲ、3月19日の日記参照)でワインを楽しみたいという方もいるかもしれませんね!(ベタかな?)今回は、Heurigeならではの単語をご紹介してみようと思います。
まず、ホイリゲの目印ともいえる、松の枝飾り。あれは Foehrenbusch(フェーレン・ブッシュ)といいます。Foehre(フェーレ)は、オーストリア・南ドイツでヨーロッパアカマツ、Busch(ブッシュ)は束を意味しますから、文字通り「アカマツの束」ですね。日本の造り酒屋にさがっているのは杉玉ですが、はじめてウィーンのホイリゲでこの松の束を見たときは「日本とそっくり!」とびっくりしたものです。ウィーンっ子はこの枝飾りと灯りを頼りに”Welcher Heurige hat heute ausg'steckt(ausgesteckt)?”(今日はどのHeurigeが開いているかな?)とお店を探すとか…。
さて、ぶらっと Heurigeに入ったら、自分たちでテーブルに座り、ウェイターには飲み物だけを注文します。もちろんここで頼むのはワイン!お店それぞれ自家製の Heuriger(ホイリガー、新酒)だけを置いてあるわけですから、Weiss(ヴァイス、白)またはRot(ロート、赤)かを言えばいいだけです。さて、ここで出てくるジョッキのようなグラスに注目!Heurigeでは通常、ワインは Achterl(アハテルル、1/8)という250ml入りジョッキで出てきます。このワインを Sodawasser(ソーダ・ヴァッサー、炭酸水)と割った飲み物がGspritzte(ゲシュプリッツト)といわれるもの。ワインの炭酸水割りなんて聞くと、日本人はうぇーっとした顔をしますが、結構いけますよ!陽が落ち行く夕方、庭の木陰のでテーブルを囲んでこのGspritzteを飲むと、友人たちと楽しい会話が弾みます…。

役に立つ?-- Trinken~Heurige編2~

役に立つ?-- Trinken~Heurige編2~

★ Trinken(トリンケン)Heurige編 その2
さてさて…
ウィーンのホイリゲで一杯!ときたら、まずは Gruener Veltliner(グリューナー・フェルトリーナー)でしょうか。オーストリアの白ワインの品種ときたら、これがまず思い浮かぶほど、ポピュラーなものです。軽めで爽やか、ほどよい酸味もあるため、飲み口がよく、知らないうちにすすんでしまいます。(ホイリゲの白ワイン、長い年月の内にいろいろな品種が混ざっている場合もあるとか。でも、それはそれで、とても美味しく飲めるものですから、ご心配なく!ホイリゲでは品種なんかにこだわらず、豪快に行きましょう、豪快に!)さて、ちょっとしたおつまみも欲しいなと思ったら、お店の中に行きましょう。ホイリゲでは、食べ物は自分で取りに行くべし。大抵お店の奥のカウンター越しに注文することになります。ガラスケースの中に並べられたものは、大体ハムなどの Kaltes Essen (カルテス エッセン 冷たい料理)ですがどれも美味しそう!Leberpastete(レーバーパステーテ レバーペースト)などの、パンにぬって食べる Aufstrich(アオフシュトリヒ ペースト)やErdaepfelsalat(エアドエプフェルザラート ジャガイモのサラダ)などごくごく簡単なものが多いですが、温かい料理を出してくれることもあります。私の友人は Backhendl(バックヘンドゥル フライドチキン)を必ず頼むのですが、これまたどっさりでてくるので、見るだけでお腹一杯になります…。(ちなみに、オーストリアでは、太った人のでっぷりと出たお腹のことを Backhendlfriedhof(バックヘンドゥルフリートホーフ フライドチキンのお墓?!!)というとか…)また、場所に寄ってはSchrammel(シュランメル音楽)が聴けるかもしれません。
ホイリゲでは、一杯のGlaserl(グラースルル グラス)と Schmankerln(シュマンケルルン 美味しい食べ物)があれば、自然の中で何時間でも心ゆくまで楽しむことができます。
地元の人たちに混じって、die Wiener Gemuetlichkeit(ヴィーナー ゲミュートリヒカイト ウィーン独特の居心地のよさといいますか、なんともいえない気持ちの良さ…なんと説明すればよいのでしょう?!どなたかお知恵を!)を少しでも共有できればいいですね。
Viel Spass!!

びっくり!-- nachdem

びっくり!-- nachdem

生きたオーストリア方言を学ぶには、やはり現在使われているものを紹介しなければ!というわけで、今回もまた、E-Mailに書かれていた表現を取り上げてみようと思います。
ある日のこと、私のドイツ語のお師匠様(日本人)から「面白い用例」というメールが届きました。師匠とは共通の友人が何人かオーストリアにいるのですが、どうもその友人の一人から届いたメールの中で、目をひいた表現があったようです。
Nachdem unsere Bekannten unsere Gaeste sein sollen, ist es nicht elegant, wenn sie fuer ihre Karten zahlen sollen.
文頭のnachdemをご覧下さい。ドイツ語学習者の方は、このnachdem(ナーハデーム)という単語はもうおなじみだと思いますが、通常はこのnachdem、従属接続詞として、読んで字のごとく「…したあとで、…してから」という意味で使いますよね。英語のafterにあたります。ところが、いつものような意味で訳そうとすると…。おや?意味が通りませんね??
実はこのnachdem、オーストリアやドイツ南部では「…だから、…なので」と理由の接続詞としても使われているのです!ですから、上のドイツ語の中でnachdemは「僕たちの友達は、当然僕たちの招待客なのだから、チケット代を払わせるのは、エレガントじゃないよ。」
と、理由の接続詞として「…だから」と訳すべきだということが分かります。ちなみに、このE-Mailを書いてきた人物は、生粋のウィーンっ子です。(elegantなんて使うところが、いかにも彼らしい…)試しに手元にある独和辞典をひいてみましょう。きちんとこの用法は明記されているはずですよ。いやはや、実際に使われているなんて!と、私の師匠も興奮していました。まさに生きたオーストリア方言の好例といえるでしょう!

びっくり!-- E-Mail

びっくり!-- E-Mail

★ E-Mail (イーメイル)
ドイツ語の学習には、段階的にいくつか乗り越えなければならない壁がありますが、そのひとつは間違いなく、欧州の言葉一般についてまわる名詞の「性」でしょう。なんで月が男性で太陽が女性なの?と、途方にくれた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
私があるオーストリア人とE-Mailをのやり取りを始めたばかりの頃のメールを読み返していたら、こんなことが書かれていました。
Sie kennen die Geschichte mit dem Geschlecht von E-Mail. Ich habe darueber auch mit E diskutiert und folgendes herausgefunden: laut DUDEN ist E-Mail in Norddeutschland feminin, also d i e E-Mail, in Sueddeutschland und in Oesterreich aber saechlich, also d a s E-Mail.
「E-Mailの性についての話を覚えているでしょう。私はこのことについてEとも話したことがあり、以下のことを突き止めました:DUDENによると、北ドイツではE-Mailを
d i e E-Mailと女性の扱いにしていますが、南ドイツやオーストリアではなんと d a s E-Mailと中性なのですよ」
確かにそうです。私は最初、辞書にならって毎回 Ihre E-Mailと書いていましたが、彼は Ihr E-Mail と中性で書いていました。
さて、ドイツ語で外来語の性を決定する場合は、
規則1) 外来語は無条件で中性名詞として扱う
規則2) それに対応するドイツ語から類推してドイツ語の性にならう
規則3) 母音で終わる語は、ラテン語の性決定の規則に従う(-o = 男性、-a = 女性)
規則4) 語尾の形で判断する(-er, -or = 男性名詞っぽいとか??【注】類推です!)
のどれかにあてはめて考えます。
例えば”E-Mail”は、DUDENのRechtschreibung では die Post からの類推で「女性」となっていますし(但し、中性も認められています)、LangenscheidtのDeutsch als Fremdsprache では「中性」と記載されています。特に南ドイツ・オーストリアでは外来語は「中性」とするのが一般的なようです。
試しに、複数のドイツ語を母国語とする人たちに「Onsen=温泉」の性は?と聞いたところ、heisse Quelleを連想したという人は「女性」、Thermalbadを連想した人たちは「中性」と答えました。これは上記の規則2)からきた結果ですね。
私たちの頭を日々悩ます名詞の「性別」ですが、実はこんな裏話もあったのです。

ついでに -- IT関連用語

ついでに -- IT関連用語

★ IT関連用語
ついでに…と書いてからずいぶんと経ってしまいました。
さて、E-Mailに関連して、IT関連の単語をドイツ語で見ておきましょう。最近は、ネットでなんでも情報が得られる時代、こんなのも役に立つかもしれません。
まずは、パソコン本体、および周辺機器から。
コンピューター:der Computer もしくは PC
キーボード:die Tastatur(キー:die Taste)
ディスプレイ:der Bildschirm もしくは der Monitor
モデム:der/das Modem
ハードディスク:die Festplatte もしくは die Magnetplatte
OS(オーエス):das Betriebssystem
プリンター:der Drucker
コンピューターを操作するときに、使う動詞など。
ログインする:sich4 an|melden
ログアウトする:sich4 ab|melden
コピーする:kopieren
ペーストする:ein|fuegen
カットする:aus|schneiden
ダブルクリックする:doppelt klicken
受信する:empfangen
送信する:senden
プロバイダー:der Provider
アクセスする:zu|greifen
メールにデジカメで撮った画像を添付して送ったりすることも出てきますよね?そういうときには例えば、Anbei(またはBeiliegend)schicke ich Ihnen einige Fotos von XXX.(XXXの写真を何枚か添付して送ります)なんていうのも使ってみて下さい。
ここで面白い言葉をご紹介しましょう。
昔、ウィンドウズの98が出回り始めた頃、取引先からきた添付ファイルがこれで読めない…こういう問題、多発しませんでしたか?そう、「文字化け」!!文字化けはドイツ語では derBuchstabensalat(ブーフシュターベン・ザラート) といいます。Buchstabenは「文字」を意味するBuchstabeの複数形です。Salatはもちろん「サラダ」で「文字のサラダ」…ではありません!!
Salatには「サラダ」という意味だけではなく、口語で「混乱」とか「ごちゃごちゃ」という意味もあるのです。ですから「文字がごっちゃごちゃになっちゃってて読めない!」=「文字化け」=Buchstabensalat という意味になるわけですね。面白いでしょう?頭の中に、サラダボールに入った、ぐっちゃぐっちゃのアルファベートを想像してみましょう。「文字化け」という単語、すんなり覚えられましたよね?

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